理学療法士がライフスタイル提案

もしも入院したら入院中に履く靴はどうすればいい?理学療法士がアドバイス

この記事では、もしも入院したらどんな靴を用意すればよいかをアドバイスさせていただきます。

私は普段、急性期の総合病院で患者さんのリハビリを担当する理学療法士として働いています。

基本的には動作に関して専門に仕事をしていますので、ある程度お役に立てる内容だと思います。

緊急入院の場合はどうしても用意が不十分になりがち

検査入院や予定入院、病気や事故・ケガでの緊急入院、様々なきっかけで毎日多くの方が病院に入院してきます。

あらかじめ予定されている入院であれば事前にしっかりと持ち物を準備できますが、特に病気やケガで緊急入院された場合は、必要なものが用意できていないことは当然のようにありますね。

その中で靴というのは移動手段で履くわけですから、用意できていないと病院内も移動できないですしとても不便なことになりかねません。

それでは以下、ケースに分けてどのような靴を用意すればいいか、簡単に解説していきます。

足部の疾患やケガで入院された方の場合

まず大前提として足のケガや疾患で入院された方の場合は、患部の安静度によって用意する靴が変わってきます。

もし骨折していたりギプスをしていたら、そもそも靴は必要なかったり、足に体重をかけてはいけない状態(免荷)だったりします。

また足部の潰瘍や蜂窩織炎などの炎症があったりする場合は、患部を圧迫しないように普通の靴を履いてはいけない状況もあります。

ですから足部に原因があり入院する患者さんがすべきことは、いち早く主治医の先生に安静度を確認して、自分の足をどのような状態で管理しておけばよいのかを確認することです。

その時にどんな靴を用意すればいいのか。

普通の靴でいいのか、あるいはスリッパタイプがいいのか、そもそもまだ地面に足をついてはいけない状態なのかなどをすぐに確認して、できるだけ早く状態に見合った靴を用意するのが正解です。

もしもお医者さんと話す機会が無ければ、担当の看護師さんに状況を説明して伝え聞きして貰っても構いません。

入院期間が短い方やリハビリの必要が無い方はどんな靴でも良い

次に足部に原因が無く入院した患者さんで、自力で歩けて入院期間が短かったり、リハビリが必要ないほど比較的重症でない患者さんの場合は、基本的にどんな靴を用意してもらっても構いません。

普段履いている靴を家から持ってきてもいいですし、ラフな環境が良ければスリッパやサンダル、クロックスなどでも構わないでしょう。

靴の用意で勘違いしがちな事

入院した時によく勘違いされる方も多いのですが、病院内は室内なのでスリッパなどの室内履きの方が良いのではないかと思う方もいらっしゃるかもしれません。

しかしご存知のように、病院にはお見舞いのために外からご家族や知人が来られたり、検査や受診で外来の患者さんも来られたりしますので、院内は土足で問題ありません。

ですから入院している患者さんに関しても、普段外履きで履いている履きなれた靴を家から持ってきてもらえば一番簡単だとおもいます。

患部の管理の為など医師の指示がない限り、わざわざ入院のためにスリッパを購入する必要はありません。

もっとも、リラックスして過ごしたい方はスリッパやサンダルでも良いでしょう。

しかし病院内は時間帯によって混雑していると、職員や患者さん、ご家族が廊下を頻繁に往来しますので、何かのきっかけで脚をけがさないように気をつけてくださいね。

そういう意味ではしっかりと足がおおわれた外履きの靴を用意するのが無難だと思います。

長期入院が必要な方でリハビリが必要になってくる方の場合

次に比較的中等度から重度(重症)で、入院期間が1か月以上など長く入院される方、或いは高齢で元々自力で動けない方などの場合は、入院中に治療と並行してリハビリが必要になってきます。

このような方々の場合は、予めリハビリをする前提で靴を用意すると良いでしょう。

具体的には上述のようなスリッパやサンダルはリハビリには向きません。

リハビリでは体力や筋力を回復させるために、歩いたり、筋トレなどの運動をしますからできるだけ動くのに適した靴を用意することが最良です。

ですから同じ外履きでも、ビジネスシューズではなく運動靴やスニーカーなどを用意しておくのが一番でしょう。

履物が準備できていなくてリハビリ開始が遅れてしまうことも結構あります

リハビリが必要な患者さんなのに事前に履物が用意できていなくて、結局離床ができずリハビリができなかったということは、実は結構ある事なのです。

極端なことを言えば、離床が遅れれば当然身体の回復も遅れますから、退院も伸びてしまいます。

入院したら治療だけして後は安静にしてればよいと勘違いされている方もいらっしゃいますが、入院して長期臥床を余儀なくされるとほぼ皆さん必ず体力も筋力も衰えます。

普段の生活で何もしなければ1年で約1,2%落ちると言われている筋力は、入院で長期臥床が必要になるケースでは毎日1%程度筋力が落ちるともいわれています。

重力に逆らわず、起きたり立ったりしない状態が続けば当然筋力は衰えますがその衰え方は皆さんが想像する以上に急激なのです。

筋力が衰えるだけでなく、動かなければ当然体力も消耗しませんので食欲が落ちたり(病院食が美味しくないという原因もあります)、体全体の代謝も落ちて結果的に体力が落ちるだけでなく体の各機能そのものも衰えることに繋がります。

これは病気やケガからの回復が遅れることを意味します。

大昔は病気やケガで入院したら安静第一というのが医学の常識でしたが、現代では、早期離床が早期退院に繋がるというエビデンス(科学的根拠)がありますから、病気やケガを治療するのと同時に、いかに早期に状態を安定させ、できるだけ早く離床して身体活動を再開させるかが最重要になってきます。

沢山書きましたが、早期に離床してできるだけ早くリハビリをスタートする事がいかに重要かという事を解ってもらうために、半分この記事を書いたようなものです。

高齢者の入院が多く、認知症の方や施設から入院してくる方も多い

上記の理由でできるだけ早くリハビリをスタートさせることが重要で、そのためには靴の準備が欠かせないという事実があります。

勿論、どうしようもない時には一時的に病院側が用意した靴を貸し出すこともありますが、経営が厳しい昨今の病院では、常にそのようにはいきません。

ですからご自身やご家族が入院中にリハビリが必要になるかどうか、特に高齢者で自立ができていない方や重症で入院された患者さんのご家族は、早めに担当の主治医に安静度を確認して、必要な靴を用意しておくことが大切です。

体の衰えや人口比率を考えても、自然と高齢者の入院率は高いです。

また認知症でご本人がコミュニケーションがとれなかったり、体調が悪くなり施設から直接入院してくる高齢者もたくさんいらっしゃいます。

このような状況では、往々にして靴の準備ができていないことが多いですので離床が遅れる原因にもなります。

ですから緊急入院して今後リハビリが必要なケースであれば、早々に靴を準備することをしっかりと意識してください。

そしてリハビリが必要な患者さんに関しては、足部に原因が無い限り、動きやすいスニーカーや運動靴、或いはリハビリシューズを用意して頂けると幸いです。

これらの準備が早期離床、早期退院、ひいては退院後の生命予後にも関わって来るケースもありますから是非ご理解くださいませ。

大切なご自身やご家族のために、この記事が何かのお役に立てれば幸いです。

 

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