理学療法士になるには国家資格を取るために、まずは大学や専門学校に通うことになります。
大学や専門学校へ入学する際に、年齢制限というのはあまり聞いたことがありませんが、そもそも理学療法士の国家資格を取るのに年齢制限はあるのでしょうか?
一度社会へ出てから理学療法士を目指される社会人の皆さんは気になるところですね。
INDEX
リハビリの専門学校には、社会人経験者は意外と多い
社会人からこの業界に入ってきた人の話はよく聞きますし、かくいう私もその一人です。
最高齢では入学時に40代や50代の方がいた?という話も聞いたことがあります。
というわけで、理学療法士の免許を取得するためには専門の大学や専門学校に通いますが、原則そこに年齢制限はありません。
ただし学校入学の募集要項で年齢制限を設けている所も、もしかしたらあるかもしれません。
そこは情報収集が必要だと思いますので、検討している学校があれば事前に一度問い合わせてみたほうが良いと思います。
規制緩和でリハビリの専門学校が乱立したくさんできた割には、少子化の影響で今はどこの学校も生徒が少ないので、恐らく年齢制限を設けている学校は、ほとんど存在しないのではないかと思います。
私が入学したのは東京都のリハビリ専門学校ですが、年齢制限があった記憶はありません。
ですから年齢制限がなかった場合、何歳からでも入学はできると思います。
しかし学校というのは基本的に、どこでも現役生が大多数です。
仮に入学できたとしても、周りとあまりに年齢が離れていたり、中高年者が少数の場合、学校生活はうまく行くのでしょうか?
理学療法士(リハビリ)学校の雰囲気は? 社会人経験者は浮かない?
入学する前は現役生に交じって学校に通ったら浮きまくって大変じゃないかと、私は内心心配していました。
しかしいざ学校に入学してみると、意外と社会人経験者の人がたくさん居たのです。
私の学年では、1/3から1/4ぐらいが社会人経験者でした。
最高齢が確か39歳だったと思いますが、私は昼間部に在籍していたので、夜間部には40代の方も居らしたと記憶しています。
ですから実際には少数派で浮くというようなことは無く、同じ境遇の人が多く居たことに安心感を感じたのを覚えています。
社会人を経てまた改めて学校へ入学し、現役生たちと一緒に勉強するという経験はとても新鮮なものです。
自分が現役学生の頃などは、勉強の大切さや面白さがわかりづらく、ただ漠然と将来のために勉強する、させられているという感覚が私にもありました。
しかし社会人を経て、しっかりとした目標と決意のもとに学校へ入学し、いざ勉強を始めてみると「勉強って面白いな」という感覚を覚えることが多々ありました。
また、会社勤めから学生に戻れるというのが実に面白いというか、要するに束の間、社会人から離れて再び学生気分を味わえた事はとても楽しい経験でした。
もちろん働きながら夜学に通う人もいるので、そんな呑気なことは言えませんね。
私が理学療法士の勉強をしたのは専門学校で、専門学校への入学も初めてでした。
専門学校というのは独特で、それはもう今まで経験した高校や大学と違い、何というか、年齢も立場も全く違う環境の仲間たちが、日々同じ目標に向かって切磋琢磨するということが、何とも言えないとても充実した日々となりました。
というわけで私の心配は杞憂に終わりました。
ここで得られた友人たちは、今でもかけがえのない存在となっています。
リハビリの仕事は人生経験がプラスに働く仕事だから社会人経験は有利
またこの仕事は人と密接に関わることが非常に多く一般企業のデスクワークなどとは比べ物にならないほど、患者である他人の人生に深く関わっていきます。
このときにそれなりの社会人経験があったり、人生経験があるということは、とてもプラスに働きます。
要するにこちらにそれなりの人生経験があれば引き出しが多くなりますから、それだけ相手に共感しやすいのです。
もちろんリハビリの対象者はほとんどが高齢者になりますので、私たちとは比べ物にならないほど人生の先輩となるわけです。
それでもある程度の人生経験があれば相手の話や立場に共感しやすく、患者さんとの信頼関係(ラポール)を形成しやすくなります。
ですので、この仕事にとって社会人経験があることやある程度の年齢で人生経験が豊富であることは、むしろプラスの要素ということが言えるかと思います。
ただし理学療法士の勉強は大変で、それ以上に臨床実習は体力勝負!
ただし学校では学ばなければならないことはたくさんあります。
医学の基礎から、理学療法士としての技術まで。
ですから勉強は大変ですし、それ以上にこの業界の実習は過酷ですので、それなりの体力と気力がないと乗り越えられません。
在学中に脱落者が出ているのは、どこの学校でも同じようです。
私の学年では一学年60人程度のうち、卒業までに恐らく10人程度は居なくなっていました。
実習は睡眠不足の日々が続き、私の時も睡眠時間3・4時間は当たり前でした。その状態で病院の臨床にほぼ一日中立ちっぱなしですから本当に体力勝負になります。
最終学年の臨床実習では、だいたい2か月の期間を2回経験します。
真面目過ぎると体を壊しかねませんので、無理にならないよう実習指導者とよく相談し、セルフコントロールをしながら自愛する必要があります。
ここは卒業生ながら、リハビリの業界で改善してほしい所だと思っています。
他の医療従事者の臨床実習も確かに大変だとは聞きますが、リハビリの業界は異常だとのこと。
結局はどれだけの覚悟があるか、どれくらいこの仕事に懸けているか
学校では最短でも3年の就学期間が必要です。
ただし十分な知識習得と技術研鑚の必要性から今は就学年数を増やす傾向にあり、いずれは全て4年制へ移行するという話を聞いたことがあります。
因みに大学の理学療法学科は4年制ですね。
学校での勉強、臨床実習、国家試験を経て、理学療法士として就職出来ます。
そしてようやく臨床の現場へ立つのですが。
実際に仕事に就くとわかると思いますが、この仕事はとても重労働です。
基本的にリハビリの対象者は体が上手く動かない状態の人が大半ですから、介助が必要になり、それを一日何人も対応するのですから想像するだけでわかると思います。
ですから、卒業してからが本当の勝負のスタートと言えるでしょう。
さらにもっと言えば、自分の知識と体力をもとに、毎年1万人のライバルが生まれる中で、生き残っていかなければなりません。
ともあれ、この記事を読まれている方は、恐らく人生の半ばから並々ならぬ決意をもってこの仕事、この業界に進まれる決意をするかと思います。
同じ社会人経験者としては、ぜひ頑張って頂きたいと個人的には思っています。
ここまでいろいろと話してきましたが、結局は自分がどれだけの覚悟をもって飛び込むか、一番大事なのはそこではないでしょうか。
家族が、経済面が、時間が、体力がと少しでも悩まれているうちは、辞めたほうがいいです。
そして、年齢制限が無いのであれば、あとは自分の情熱が赴くままに決断されたら良いと思います。
その熱意は年齢に関係なく、きっと相手に伝わります。
未来の現場で待っていますね。
この記事が、何かの参考になれば幸いです。