理学療法士がライフスタイル提案

太りにくい生活習慣には、ニート:非運動性熱産生の意識がとても大事!

ダイエットではエネルギーのIN-OUTバランスである摂取カロリー消費カロリーを意識することが大切だというお話をしました。

そして太りにくい体づくりには、基礎代謝を高めるために筋肉量を増やしてあげることが大切だというお話をしました。

さらにここではもうひとつ、太りにくい生活習慣についてお話をしたいと思います。

太りにくい生活習慣の要、NEAT(ニート:非運動性熱産生)とは?

私たちの体は生きていくために、絶え間なくエネルギーを消費しています。

その中で最近、NEAT(ニート)と言われるものが注目されています。

NEAT(ニート)とはnon-exercise activity thermogenesis》
意識的に行う運動によるものではなく、家事や通勤・通学など日常生活における動作で消費される熱量。 非運動性熱産生。エスカレーターでなく階段を使う、散歩の距離を伸ばすなど、NEATの量を増やすことが生活習慣病の予防につながるとされる。
コトバンクより引用

近年このNEAT(ニート)が、太りにくい生活習慣ではとても重要だと認識されています。

それだけでなく、私たちの健康を保つうえでも、とても大切なのです。

現代人は運動によるエネルギー消費の割合が少ない

ちなみに私たちの日常の総エネルギー消費のうち、基礎代謝が約60%に対して運動は約3~5%と言われています。

えっ?と思われた方もいると思いますが、とても少ないですよね。

スポーツ選手のように運動量の多い一部の人を除けば、いわゆるスポーツとしての運動が、生活の中で総エネルギー消費に占める割合はこれほど小さいのです。

例えば体重60kgの人が30分間速歩をすると、約120kcal程度のエネルギー消費になります。

しかしこのレベルの運動を計画的、継続的に行っている人の割合さえ少ないと言われています。

国民健康・栄養調査によると、1回30分以上の運動週2日以上実施している人は、男性33.8%女性27.2%です。

このようなことからも全体でみると、総エネルギー消費に占める運動(スポーツ)の割合は3~5%程度と考えられています。

ここで勘違いしないでいただきたいのですが、これは運動した時のエネルギー消費が極端に少ないのではありません。

生活における運動習慣の割合が少ないので、統計のデータ上では運動によるエネルギー消費の割合がこれほど少ないということです。

一方、NEAT(ニート)のカロリー消費のシェアはこれだけ大きい

一方で、運動以外の身体活動と呼ばれるNEAT(ニート)が総エネルギー消費量に占める割合は25~30%です。

ニートは非運動性熱産生と呼ばれ、いわゆる日常生活の生活活動としてのエネルギー消費であり、姿勢の保持や家事、買い物、通勤などの移動、仕事、余暇活動など、低から中強度の身体活動を中心に様々な活動が含まれます。

このように1日の総エネルギー消費では、計画的に実施された運動よりも、それ以外の生活活動による消費エネルギーのほうが大きいのです。

また近年では運動不足の研究のみならず、身体活動そのものの低下、身体不活動の研究が進んでいます。

つまり「運動を増やす」という考え方だけでなく「安静を減らす」という観点が注目されているのです。

「安静を減らす」ということは運動以外の身体活動であるニートを増やすことになり、これが太りにくい生活習慣へと繋がるわけです。

さらに安静を減らすことで糖尿病心疾患などの発症リスクやこれによる早死のリスクが改善されるという報告も出てきています。

毎日の生活の中で、安静を減らすという意識づけが大事。

現代人は文明の発達により、何をするにも便利な環境で生活しています。

移動は車や電車、食事はデリバリー、買い物はインターネットショッピング、便利になればなるほど、人は動かなくて済むようになってきています。

一方で皮肉なことに、これらが原因で現代病と言われる糖尿病や、心疾患などの病気のリスクが上がり罹患者(病気を患わっている人)が増えています。

さらには不動による筋力低下により、特に高齢者では転倒や寝たきりのリスクが高まっています(もちろん寿命が延びているという要因もあります)。

最近では転倒・寝たきりが、どんどんと若年化している一面もあるようです(極端に動かない生活習慣の人も増えているという事)。

身体を動かさないと身体活動が不足している(運動不足)ということは考えてみれば単純な理屈ですが、毎日の生活に追われていると、案外自分が運動不足の状態だと意識しないこともあります。

しかしニートは、私たちの身体のエネルギー消費においてこれだけのシェア(25~30%)を持っているわけですから、これをうまく利用しない手はありません。

それに時間を捻出して運動の時間を増やすのはとても大変です。

けれど忙しい日常の中で、例えばデスクワークで運動不足を自覚している人やダイエットを考えている人は、頑張ってスポーツジムに通ったりしていますよね。

筋トレ目的の人は始めからそれでも良いですが、もし痩せたいと思っている人なら、まずはジムへ通う前に、日常生活の中で「いかにじっとしている時間を減らすか」ということに目を向けるべきでしょう。

具体的な生活の中で考えると、通勤、通学ではなるべく歩く、階段を使う。

主婦の人は家事動作を頻繁に行う。

買い物も電動アシスト自転車は確かに便利ですが、健康な方であれば普通の自転車のほうが筋力・体力を使いますのでなおのこと良いです。

余談
例えば足がちょっと悪いから、筋肉が落ちてきたからという理由で電動自転車を使うことは、健康寿命(自立した生活ができること)の観点からはお勧めしません。
身体は使わなければ衰えます。弱った脚で更に運動する機会を失えば、その脚力はずっとそのままですし、むしろどんどん衰えてやがて歩けなくなります。
だから例えば病気やけがで身体能力が落ちた人は、元の戻すために積極的なリハビリ(医師に許可された可能な範囲での積極的な運動)が必要なのです。

 

そして何よりも「じっと座ってダラダラ過ごす時間を減らす」事がもっとも大切です。

人間は立っているだけでもそこそこのカロリー消費をします。

逆に長時間座っているような習慣は健康によくないとされており、寿命を縮め死亡リスクも高くなるという研究結果も出てきています。

ですからちょっとした意識づけ、運動時間を増やすという考え方だけでなく、安静を減らすという意識をもって毎日生活することを心掛けてみてください。

(デスクワークの方は30分に一度、5分程度のスタンディングでも長時間座位の健康リスクの軽減に有効です。)

 

参考文献:内部障害に対する運動療法の最前線

 

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ダイエット関連の記事はこちらもどうぞ。

運動すれば大丈夫?【ダイエットの落とし穴】を理学療法士の観点から!

【太りにくい体づくりのコツって?】理学療法士の観点から!

 

 

 

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