リハビリ難民

理学療法士の雑記

リハビリ難民問題の現状とは?理学療法士が医療現場で感じること

リハビリ難民の現状について、最近ニュースを見ました。これに関して思うことを記事にしたいと思います。

リハビリ難民の現状と対処について

以下が報道されたニュースの内容です。民間企業のリハビリ事業参入によって、リハビリ難民の患者のニーズ応えるという内容です。

脳梗塞などを患って入院した際、保険の範囲内でリハビリを受けられる期間に上限があるため、十分な治療を受け続けることができない“リハビリ難民”。現在、国内に200万人以上いるとも言われています。豊田通商は26日、こうしたリハビリ難民の受け入れを狙った施設を東京・世田谷区にオープンし、リハビリ事業に参入しました。脳疾患や整形外科を専門に、患者に合わせたプログラムを作成する「オーダーメード型」の施設です。1回1時間15分の治療で料金は約1万円からとなっています。保険はきかず、自費での負担になりますが、それでもリハビリを継続したい患者のニーズは大きいとみています。

そもそもリハビリ難民問題とは?

もともとは小泉政権下で、医療費抑制の目的でリハビリの日数制限を設けたことが始まりと言われています。

厚労省は、2006年にリハビリを最大180日に制限した。2008年10月からは入院後6ヶ月に退院する患者が6割を下回る病院への診療報酬が大幅に引き下げた。この結果、重症患者の受け入れを断る病院が増えた。来年に予定されている診療報酬改定では、月に13単位(1単位は20分)を上限として認められている外来でのリハビリが廃止される。このままでは、十分なリハビリを受けることが出来ない「リハビリ難民」が続出する。

この結果、6か月以上のリハビリを継続することが困難となり、 それ以上の期間もリハビリを必要とする人は、十分なリハビリを受けられなくなってしまいました。
せっかく良くなった患者さんも元の状態へ戻るといったケースが少なくありません。

理学療法士とリハビリ難民問題。日々の仕事で感じる事。

生活環境

私も日々、医療の現場で働いていますが、リハビリの日数制限については、思うところがあります。

現状、医療保険下のリハビリでは、およそ半年程度のリハビリ日数の上限が設けられています(疾患や病状によってはこの限りではない) 。

それを超えると、標準的算定日数を超えたという形で、月に13単位までしかリハビリができなくなります。

一般的に、脳卒中などの脳血管疾患ではプラトーと言って発症後、急性期の始めの3か月が回復にはとても大事で、それ以降は発症から日数が経過すればするほど、回復はしづらいと言われています。

脳血管疾患だけでなく他の疾患でも、術後や入院後の比較的早い段階からリハビリを始め、廃用が進行する前に、なるべく早い段階で回復にもっていくという考え方は一般的です。

恐らくそのような考え方がベースにあることと思いますし、 いつまでも変化のないリハビリを永遠と継続していても、医療費の無駄だという考え方なのでしょう。

私が受け持っている患者さんでも、療養病棟にいる在院日数の多い患者さんでは、よく算定日数越えになります。

しかし、リハビリをすることで良くなるタイミングというのは決して一律ではなく、人によってもマチマチなところがあります。

現に私の療養の患者さんでも、6か月以降に元気になる患者さんも、少ないですがいらっしゃいます。それに、機能向上が期待できないから、リハビリをやっても無駄だというのは、少し解釈が違うようにも感じます。

私は、現状維持というのもとっても重要だと考えています。

よく患者さんでリハビリをしていると、この人はこの環境だから今の生活が成り立っているのであって、恐らくリハビリをしなくなったら一気に廃用が進み寝たきりになるだろうと感じる患者さんもたくさんいます。

そのような人たちにも、継続した十分な量のリハビリは必要だと思っています。院内でも算定日数越えによって月13単位になり、十分なリハビリが受けられなくなったことで廃用してしまう患者さんもたくさんいますので、13単位の縛りでは維持は不十分だと感じることも多いです。

民間企業が参入することは歓迎!リハビリ業界が良い方向へ変化していくことへの期待

良いニュース

ですから、民間の企業がリハビリ業界に参入することは個人的にはとても歓迎しています。
国の側も現時点では、医療費削減に貢献できると歓迎の姿勢ということです。

リハビリを必要な人が、必要な時に、必要なだけ受けられる仕組みがあれば、 健康寿命を維持することができる人も、まだまだたくさんいらっしゃいます。

それに自費のリハビリ形態が普及してくれば、我々リハビリセラピストにも働くカタチの多様性がでてくると感じています。

今は、スキルが有っても無くても、1単位やったら同じだけの報酬しか発生しません。そして、給料もほとんど変わりません。

今後は、もっとリハビリテーションが多様化していき、個人のニーズに合わせたオーダーメイド型のリハビリテーションが実現してくればよいと思っています。

患者さんもリハビリセラピストを指名して、優秀なセラピストにはそれ相応の報酬が支払われるような仕組みができれば、セラピストのモチベーションも質ももっと向上するのではないかと個人的には感じるところです。

また、法律で一律に算定日数を制限したり撤廃するのではなく、個人がニーズによってリハビリを選択することで、リハビリをする当人やそのご家族の人生観や、予後に対する死生観にも、柔軟に対応できるのではないかと考えています。

制度上「ここまでしかリハビリができない。」という受け身の選択ではなく「私は、私たち家族は、ここまではリハビリがしたい。」という主体的な選択ができればよいと思います。

もちろん、自費になるので、希望があっても費用の面では問題も出てくると思います。

これから徐々に、環境が成熟していくことに期待します。

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